ISDRSI 磯人麗水/ISDRSI [Isodo-Reisui]

城崎国際アートセンター+豊岡市立美術館-伊藤清永記念館-+日本・モンゴル民族博物館 共同企画展
ISDRSI 磯人麗水

ひうらさとる ミラクルひかる
伊藤清永 今西仙照 クリストフ・シャルル
荒木優光 カラマリ・インク 耕三寺功三 田村友一郎 堤 拓也 中島明日香 西野正将 PUGMENT 松見拓也 吉田雄一郎
 

豊岡市を代表する画家、伊藤清永の代表作《磯人》(1936年)、そして2019年にその歴史に幕を下ろした喫茶「麗水」、この2つのコンテンツを起点としてプロジェクトは展開する。しかし、この2つは豊岡市にある、もしくはあったという以外に直接的な連関はない。2つのコンテンツを一旦、「資源」として仮定し、過去に類をみない「活用」を試みる。資源が有する情報を可能な限り引き剥がし、その次元を限りなく引き延ばす。例えば、SF的な手つきで。 

 特設ウェブサイト
 

■会期:2020年3月20日(金)-4月19日(日) 

■会場①:豊岡市立美術館-伊藤清永記念館- (兵庫県豊岡市出石町内町98) 

■休館日:水曜日
■開館時間:9:30-17:00(入館は16:30まで) 

■入館料:一般 300 円 / 高校生以下 無料
 ※障害者手帳所持者は半額になります。 ※3月20日(金)は入館無料
 

■会場②:麗水(兵庫県豊岡市城崎町上山1465) 

■鑑賞可能時間:9:00-17:30(火曜休)
 

かつて使用されていたと思しき基地のような建築には巨大な絵画が残る。がらんどうの建築の内部に人の気配はない。残響とも呼べるプログラムされた音楽が階下から鳴り響いているだけだ。絵画には当時の風景を描いたものだろうか。水と人間が描かれており、豊かな生命がそこにはたしかに息づいている。紛れもないこの惑星のかつての風景であろう。脇には絵画のタイトルを指し示すように小さく『磯人』と書かれたサインと、作者と思しき名前。その基地から幾ばくかの距離を隔てた場所— プラントのような小規模な建築がひとつ。窓越しに中を覗けば飲食物を供していたであろう設備や、座り心地がよさそうなテーブルセット。壁際のモニターは人らしき蠢くものを不鮮明に映している。ユニットに架かるサインには『麗水』という文字。おそらくこの辺りにもかつては水が存在したのだろう。ユニット内の壁にはいくつかの水のシミ。膝丈ほどの高さから背丈ぐらいのものまで。幾度となくここが水に浸かった痕跡だ。その裏手から遥か先には奇妙な模様の崖が見通せる。窪地を越えてその崖に近づいてみれば、奇妙な模様が実は夥しい数の奇怪な形をした岩石の束であることに気付く。断面が六角形の岩石が同じ向きにねじ曲がって崖に張り付いている。その圧倒的な光景には誰もが息をのむ、はずだが、その“誰も”がこの土地にはもういない。見渡す限りにおいては、巨大な絵画が残る基地とプラント以外の人工物はもちろんのこと、生物すらも見あたらない。ただただ粗野な岩地が広がる無機質な風景がどこまでも拡がっている。時折、濃い霞が遠くに立ち籠めるだけだ。
 
いったい何があったのか? 

■関連イベント 

オープニング・イベント「グローバル時代における地域文化資源の活用」

日程:3月20日(金) 会場:豊岡市立美術館 /入場無料/予約不要  

13:30~ オープニング・セレモニー/14:00~16:00 オープニング・フォーラム

 ■クレジット 

主催・製作:城崎国際アートセンター(豊岡市)


共催:豊岡市立美術館-伊藤清永記念館-
/日本・モンゴル民族博物館


助成:2019年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
 

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