【募集】インド・ニューデリー|クラフト&アートシーン同行者

■趣旨・概要

2014年から滋賀県に制作拠点を構える山中suplex/Yamanaka Suplexは、より開かれたスタジオにすべく、2019年から外部での展覧会への参加やイベント企画等を積極的に実施してきました。2020年のドライブイン展覧会から、2022年から2023年にかけて山中suplexの別棟「MINE」運営までを行い、インディペンデントな組織がいかに関西アートシーン全体に寄与できるのか実験を重ねています。

2023年からはシェアスタジオの本質である「共有」という原点に立ち返り、現代美術における生態系 (エコシステム) の見直しと改善、協働と連帯に根ざした独自のインフラ構築を目指す事業を開始。その一環として、昨年度は公募で決まった4名のアーティストや文化従事者とともに、インドネシア・ジャカルタにある大型スタジオ「グッスクル」への視察を実行しました。さらにジョグジャカルタやバンドンにまで足を伸ばし、同時代のアートシーンを多数目撃しました。

昨年度の同行者はこちら

その後、大阪で開催した報告会「インドネシアリサーチ2023」はこちら

上記報告会の記録映像はこちら

本年度は、南アジアの大国であるインド・ニューデリーのクラフトシーンとアートシーンの視察を試みます。特に同地のアートシーンを知る上で最も重要なプラットフォームのひとつである「インディア・アート・フェア」と、それに付随して同時多発的に開催される数々の関連イベントおよびパーティに参加することを通して、現地アートコミュニティとの交流を目指します。

今回はそのリサーチトリップに同行したい2名 (あるいは2組) を公募し、同行する権利とともに、旅費補助として80,000円を支給します (グループでの採択の場合は1組につき100,000円を予定)。そもそも本公募の理由は、山中suplexのメンバーだけではなく公募同行者にも旅費やリサーチ機会を共有することで、普段は行くことのできないアートシーンに触れてほしいという思いがあります。また同時に、これまで海外に行くチャンスがなかったような若手アーティスト等にそのきっかけを与えたいという気持ちもあります。西洋よりアジアのことが知りたい人や、アートフェアやインド文化に興味がある人、もはや「アートよりカレー」が好きな人など、たくさんのご応募をお待ちしております。


■対象者:

文化芸術に3年以上関わり、意欲のある個人またはグループ。活動のジャンルは問いませんが、西洋よりもアジアに関心があること。国籍・年齢等不問。ただし、基本的に日本語話者が多いため、日本語ベースの会話が多くなります。


■視察予定日:

◉クラフトシーン編 (ニューデリー):2025年1月29日[水]〜31日[金]あたり

◉アートシーン編 (ニューデリー):2025年2月5日[水]〜7日[金]あたり


※上記スケジュールは若干前後する可能性があります。あらかじめご了承ください。

※上記の日程にすべて参加する必要はありません。途中で抜けたり、合流したり、無理のない範囲でご参加ください。

※集合場所や細かなスケジュール等は参加者全員で相談しながら決定します (事前顔合わせオンラインミーティングあり)。

※クラフトシーン編とアートシーン編の間の期間は自由時間となります。何人かは他の都市にエクスカーションをする可能性がありますが、そちらも自由参加です。


■視察内容 :

・インド・ニューデリーのクラフトシーンおよびアートシーンを視察。

・インディア・アート・フェアや関連イベントへの参加を予定。 


■支援内容: 

・視察同行の権利 (基本的にコーディネーションは主催者が行いますが、もし具体的な視察希望場所があれば共有してください)

・旅費補助として80,000円(税込)を支給 (グループでの採択の場合は1組につき100,000円を支給) 


■注意事項: 

・航空券、宿泊先、ビザの取得、保険の手配は参加者自身で行ってください。

・渡航時や滞在中の事故、怪我、病気について主催者は責任を負いません。

・必ず海外旅行傷害保険に加入してください。 

・採択決定後、リサーチ実施までに日本円で支払い予定です (請求書を発行してもらい、振り込み)。


■応募期間:

2024年12月6日[金]〜22日[日] 日本時間18時締め切り


■応募方法:

以下のフォームに、必要事項と①自己紹介、②このリサーチトリップに参加する必然性、③将来の展望をご記入の上、期日までにお申込みください。


■応募フォーム:

https://forms.gle/j1kZwYAky92bZA9YA


■選考について:

選考結果は、合否にかかわらず2024年12月24日[火] 中に応募者全員にメールにて通知します。

採択人数:2名 (組)


■昨年度の同行者からのひとこと

海外のアートスペースに行きたい!でもどこから何を調べれば良い?ハードルが高い…と思っていた自分にはぴったりの企画でした。アジアの格安航空便は変更され、遅れ、先に行ちゃうから気をつけて!帰国してからも遠くで応援できる仲間ができたことは何より心強いです。

———東美沙季 (アーツ前橋 学芸員)


山中suplexのグルーヴに巻き込まれ色んな出会い、発見、ハプニングとか。一つの身体じゃ抱えきれないたくさんのお土産を持って帰ってこれたような気がします…それが思いもよらないところで繋がったりして、マジかぁ不思議だなってことがあれからいっぱい起こるようになりました。

———沖野颯冴 (アーティスト)


山中suplexメンバーや他の同行者と分有した記憶と経験、初めて訪れたインドネシアで身体を通った空気と時間は、未来永劫いつまでも鮮やかです。何度反芻しても、いい夏だったなあ。ぜひこの機会に一歩、共に旅に出てみてください。そこで出会った人や場所や出来事が、きっとまた何度でもあなたを世界中へと連れ出してくれるはず。

———中谷圭佑 (兵庫県立美術館学芸員)


個として、グループとして、その両面から土地・文化に・人に向き合えるツアーだと思います。グッスクルでの有機的なコミュニケーションは忘れられないし、その経験があったから今度は自分が地に根差して受け入れる側になりたいと思えました。

———原田桃望 (青森公立大学 国際芸術センター青森 [ACAC] 学芸員)


■視察参加者プロフィール

◉小笠原周/Ogasawara Shu

1985年兵庫県尼崎市生まれ、蟹座、A型。好きな物はネコ、趣味はラーメン。2008年京都造形芸術大学彫刻コース卒業。現在は身近な人物や出来事をモチーフに、石のレリーフを制作している。


◉小栢健太/Ogaya Kenta *サポート枠

1977年生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。京都・柊野を拠点に制作活動を行う。「HIRAGINO BOOKS」を主宰。アートブックフェアの参加、アーティスト間のフレンドシップによる書籍・書物の情報共有、その資源を活用したアートワークの制作、展示、販売、並びに古書・新書の収集、紹介、販売を行っている。


◉小宮太郎/Komiya Taro

1985年神奈川県川崎市生まれ。蟹座、O型。2016年京都造形芸術大学大学院芸術研究科芸術専攻(博士)修了 。高速回転するオブジェや騙し絵的なインスタレーションなど、人の視覚を通して認知に働きかける作品を制作する。昨年よりダイエットして少しばかり痩せてきたが、この旅でまた元の体重を超えないように美味しいものを食べたいです。


◉堤拓也/Tsutsumi Takuya

インディペンデント・キュレーター。主なキュレーション実績に、鬼丘鬼鏟 (ゴースト・マウンテン・ゴースト・ショベル):時間的臨摹 (京都、2023)、国際芸術祭「あいち2022」 (愛知県、2022年) など。2021年3月から約週2回のペースでジョギングを実施していていたが、今年の9月に風邪をひいてから中断。もう二度と走りたくない気持ちを維持している。


◉中井梓太郎/Nakai Shintaro 

2000年京都府生まれ。2022年京都芸術大学美術工芸学科総合造形コース卒業。ものともの、空間と空間の関わり合いについてをテーマにオブジェクトやインスタレーション作品などの制作を行なっている。2023年5月から始動した『スローイング・スパゲッティ』としても活動している。


◉中谷圭佑/Nakaya Keisuke *サポート枠

1996年愛知県生まれ。兵庫県立美術館学芸員。東北大学工学部建築・社会環境工学科卒業、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科修了。京都芸術センターアートコーディネーターを経て、2024年より現職。昨年度のインドネシア・ツアーでは食中毒になり、朦朧としながら帰国した経験を持つ。今回のインド・ツアーでは、覚悟ができている。


◉本田大起/Honda Daiki 

1984年大阪府生まれ。2009年京都造形 芸術大学大学院芸術研究科芸術表現修了。 人体彫刻を制作し、自己の存在や他者との関わりを考える機会とする。去年のリサーチは諸事情で参加出来ず、出不精のため今回が初海外、胃腸が弱いのでインドはハードルが高いのではと不安を抱えている。


◉向井詩織/Mukai Shiori 

インド西部カッチ県と滋賀の2拠点で、天然染料のブロックプリントをしている。カッチの工房は、本来はムスリムの男性だけが入室許可されている工房だが、テキスタイルアーティストとして単身で乗り込む。最近、札幌で育った身体でインド滞在は無理があると感じ始めている。


◉八木志菜/Yagi Yukina *サポート枠

同志社女子大学表象文化学部英語英文学科卒業。コロナ元年に京都芸術センターへアートコーディネーターとして入職。現在はフリーで主に舞台芸術分野の制作を行う。第29回京都国際ダンスワークショップフェスティバル・共同プログラムディレクター。最近、唐辛子が体に合わないことに気づき、インド滞在の健康維持に不安を抱いている。


◉若林 亮/Wakabayashi Ryo

彫刻家。1985年大阪出身。2010年京都精華大学大学院修了。鉄と、その周りを取り巻く環境や空間全体を多角的に捉え彫刻を制作する。また物質としての鉄と自然、そして人との関係性を彫刻・インスタレーションなどで表現する。現在、自転車2、車1、ミニカー1、バイク5、購入予定のバイク1あり。


■主催:山中suplex/Yamanaka Suplex

■助成:公益財団法人 小笠原敏晶記念財団

■協力:黒岩智子

■お問い合わせ:yamanaka.suplex@gmail.com


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