小笠原周「アサンブラーシュ」展 @VOU/棒

小笠原 周 個展「アサンブラージュ」

会期 || 2020年1月11日[Sat] — 2月2日[Sun] | 13:00–19:00 || 入場無料 || 定休日 | 水・木

会場 || VOU / 棒 | 1Fメインギャラリー || 〒600-8061 京都市下京区筋屋町137 棒ビル

 この度、VOU / 棒では、1Fのメインギャラリーにて若手彫刻家・小笠原周による個展を開催します。「アサンブラージュ」と題された本展では、2019年12月に屋外公園にて発表された6体の石彫作品《尼崎の彫刻》を取り込んだ新作《アサンブラージュ: 裸の男達と伝説》を展示し、近代彫刻の先駆けとなったロダン作品をモチーフに新たな彫刻を提示します。

 幼少時代よりマンガに影響を受けた小笠原は、京都造形芸術大学にて彫刻を学び、卒業後も個人の制作・発表だけに限らず、2014年に共同アトリエ 山中suplexを立ち上げるなど精力的に活動してきました。近年では、ゲンビどこでも企画公募2018展での五十嵐太郎賞や、兵庫県尼崎市出身の若手芸術家のための尼崎市文化未来奨励賞を受賞するなど、展示や評価の機会を増やしています。新作の一部となる《尼崎の彫刻》はタイトルの通り、尼崎市にまつわる伝承や民話をもとにつくられた大理石作品です。たとえば本フライヤー表紙作品の一部に彫られている3つの男性頭部は、かつて尼崎にあった村の危機を救った者=義民として祀られている「五兵衞」「三平」「弥次右衛門」の三者を表象したものであり、小笠原作品で度々登場する主人公でもあります。ほかにも「ちぢみさん」(尼崎えびす神社の俗称)の由来と言われている縮毛の神職者を《ラオコーン像》に置き換えてみたり、オイテケ池から伸びたカッパの手を高村光雲の《老猿》を模してみたりと、随所に自作品史や美術史へのリファレンスを散りばめています。

 そのような合成(アサンブラージュ)彫刻作品を踏まえて制作される新作《アサンブラージュ: 裸の男達と伝説》は、ロダンの《アサンブラージュ: 裸の男と昼》に真正面から挑んだオマージュ作品です。「近代彫刻の父」と称されるロダンは、粘土で彫像したあとに石膏で複製し、別々の彫刻同士を強引に組み合わせることによって新しい立体作品を数多く生み出しました。小笠原はその手法に共感を覚えつつも、その時代には存在しなかった「発砲スチロール」という石膏のような白さを持つ比較的安価な素材を用い、さらに前作である《尼崎の彫刻》をも新作と合成することによって、巨匠によるアサンブラージュ作品の超克を試みます。移転後のVOU/棒・メインギャラリーで開催される第2回目の本展にて、小笠原作品が京都の屋内にどのように展開されるのか、ぜひご高覧ください。

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日時 || 2019年1月11日[Sat] 時間未定

アクセス || 阪急河原町・烏丸駅 連絡通路12番出口から徒歩5分

お問い合わせ || TEL | 075–744–6942 || MAIL | info@voukyoto.com

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