記録リーフレット/DOCUMENTATION
実施概要
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主題: 新たな鑑賞条件を想定した展覧会フォーマットの研究・開発・試行 (ドライブイン形式・試行編)
日時: 2020年8月16日(日) 10時—18時
会場: 山中suplex/Yamanaka Suplex (〒520–0017 滋賀県大津市山中町91)
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実施責任者: 堤 拓也
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補助: 黒木優花、耕三寺功三
音響: 荒木優光
協力: 室津日向子、周山祐未
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展示作家: 石黒健一、小宮太郎、本田大起、前谷 開、和田直祐、宮木亜菜、坂本森海、木村 舜、小西由悟、小笠原 周、若林 亮
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外部アドバイザー: 勝冶真美、中村史子、はがみちこ、藤田瑞穂、荒井保洋、中本真生、三木 学
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プロジェクター提供: 株式会社エッジニティ
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本事業は「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う京都市⽂化芸術活動緊急奨励⾦」の採択事業です。
Summary of Project
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Subject: Trials, Developments, Research of Exhibition Formats Hypothesizing New Conditions of Seeing (Drive-through Form, Trial Iteration)
Day of Operation: 16th August, 2020 (Sun.) 10:00—18:00
Location: Yamanaka Suplex (91 Yamanakacho Otsu City, Shiga Prefecture 520–0017)
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Project Coordinator: Takuya Tsutsumi
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Assistant Coordinators: Yuka Kuroki, Kosan Kosanji
Sound: Masamitsu Araki
Collaborators: Hinako Murotsu, Yumi Suyama
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Artists: Kenichi Ishiguro, Taro Komiya, Daiki Honda, Kai Maetani, Naosuke Wada,
Ana Miyaki, Kai Sakamoto, Shun Kimura, Yugo Konishi, Shu Ogasawara, Ryo Wakabayashi
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External Advisors: Mami Katsuya, Fumiko Nakamura, Michiko Haga, Mizuho Fujita, Yasuhiro Arai, Masaki Nakamoto, Manabu Miki
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Projector Provision: EDGENITY Inc.
城崎国際アートセンター+豊岡市立美術館-伊藤清永記念館-+日本・モンゴル民族博物館 共同企画展
ISDRSI 磯人麗水
ひうらさとる ミラクルひかる
伊藤清永 今西仙照 クリストフ・シャルル
荒木優光 カラマリ・インク 耕三寺功三 田村友一郎 堤 拓也 中島明日香 西野正将 PUGMENT 松見拓也 吉田雄一郎
豊岡市を代表する画家、伊藤清永の代表作《磯人》(1936年)、そして2019年にその歴史に幕を下ろした喫茶「麗水」、この2つのコンテンツを起点としてプロジェクトは展開する。しかし、この2つは豊岡市にある、もしくはあったという以外に直接的な連関はない。2つのコンテンツを一旦、「資源」として仮定し、過去に類をみない「活用」を試みる。資源が有する情報を可能な限り引き剥がし、その次元を限りなく引き延ばす。例えば、SF的な手つきで。
特設ウェブサイト
■会期:2020年3月20日(金)-4月19日(日)
■会場①:豊岡市立美術館-伊藤清永記念館- (兵庫県豊岡市出石町内町98)
■休館日:水曜日
■開館時間:9:30-17:00(入館は16:30まで)
■入館料:一般 300 円 / 高校生以下 無料
※障害者手帳所持者は半額になります。 ※3月20日(金)は入館無料
■会場②:麗水(兵庫県豊岡市城崎町上山1465)
■鑑賞可能時間:9:00-17:30(火曜休)
かつて使用されていたと思しき基地のような建築には巨大な絵画が残る。がらんどうの建築の内部に人の気配はない。残響とも呼べるプログラムされた音楽が階下から鳴り響いているだけだ。絵画には当時の風景を描いたものだろうか。水と人間が描かれており、豊かな生命がそこにはたしかに息づいている。紛れもないこの惑星のかつての風景であろう。脇には絵画のタイトルを指し示すように小さく『磯人』と書かれたサインと、作者と思しき名前。その基地から幾ばくかの距離を隔てた場所— プラントのような小規模な建築がひとつ。窓越しに中を覗けば飲食物を供していたであろう設備や、座り心地がよさそうなテーブルセット。壁際のモニターは人らしき蠢くものを不鮮明に映している。ユニットに架かるサインには『麗水』という文字。おそらくこの辺りにもかつては水が存在したのだろう。ユニット内の壁にはいくつかの水のシミ。膝丈ほどの高さから背丈ぐらいのものまで。幾度となくここが水に浸かった痕跡だ。その裏手から遥か先には奇妙な模様の崖が見通せる。窪地を越えてその崖に近づいてみれば、奇妙な模様が実は夥しい数の奇怪な形をした岩石の束であることに気付く。断面が六角形の岩石が同じ向きにねじ曲がって崖に張り付いている。その圧倒的な光景には誰もが息をのむ、はずだが、その“誰も”がこの土地にはもういない。見渡す限りにおいては、巨大な絵画が残る基地とプラント以外の人工物はもちろんのこと、生物すらも見あたらない。ただただ粗野な岩地が広がる無機質な風景がどこまでも拡がっている。時折、濃い霞が遠くに立ち籠めるだけだ。
いったい何があったのか?
■関連イベント
オープニング・イベント「グローバル時代における地域文化資源の活用」
日程:3月20日(金) 会場:豊岡市立美術館 /入場無料/予約不要
13:30~ オープニング・セレモニー/14:00~16:00 オープニング・フォーラム
■クレジット
主催・製作:城崎国際アートセンター(豊岡市)
共催:豊岡市立美術館-伊藤清永記念館-
/日本・モンゴル民族博物館
助成:2019年度 文化庁 文化芸術創造拠点形成事業
小笠原 周 個展「アサンブラージュ」
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会期 || 2020年1月11日[Sat] — 2月2日[Sun] | 13:00–19:00 || 入場無料 || 定休日 | 水・木
会場 || VOU / 棒 | 1Fメインギャラリー || 〒600-8061 京都市下京区筋屋町137 棒ビル
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この度、VOU / 棒では、1Fのメインギャラリーにて若手彫刻家・小笠原周による個展を開催します。「アサンブラージュ」と題された本展では、2019年12月に屋外公園にて発表された6体の石彫作品《尼崎の彫刻》を取り込んだ新作《アサンブラージュ: 裸の男達と伝説》を展示し、近代彫刻の先駆けとなったロダン作品をモチーフに新たな彫刻を提示します。
幼少時代よりマンガに影響を受けた小笠原は、京都造形芸術大学にて彫刻を学び、卒業後も個人の制作・発表だけに限らず、2014年に共同アトリエ 山中suplexを立ち上げるなど精力的に活動してきました。近年では、ゲンビどこでも企画公募2018展での五十嵐太郎賞や、兵庫県尼崎市出身の若手芸術家のための尼崎市文化未来奨励賞を受賞するなど、展示や評価の機会を増やしています。新作の一部となる《尼崎の彫刻》はタイトルの通り、尼崎市にまつわる伝承や民話をもとにつくられた大理石作品です。たとえば本フライヤー表紙作品の一部に彫られている3つの男性頭部は、かつて尼崎にあった村の危機を救った者=義民として祀られている「五兵衞」「三平」「弥次右衛門」の三者を表象したものであり、小笠原作品で度々登場する主人公でもあります。ほかにも「ちぢみさん」(尼崎えびす神社の俗称)の由来と言われている縮毛の神職者を《ラオコーン像》に置き換えてみたり、オイテケ池から伸びたカッパの手を高村光雲の《老猿》を模してみたりと、随所に自作品史や美術史へのリファレンスを散りばめています。
そのような合成(アサンブラージュ)彫刻作品を踏まえて制作される新作《アサンブラージュ: 裸の男達と伝説》は、ロダンの《アサンブラージュ: 裸の男と昼》に真正面から挑んだオマージュ作品です。「近代彫刻の父」と称されるロダンは、粘土で彫像したあとに石膏で複製し、別々の彫刻同士を強引に組み合わせることによって新しい立体作品を数多く生み出しました。小笠原はその手法に共感を覚えつつも、その時代には存在しなかった「発砲スチロール」という石膏のような白さを持つ比較的安価な素材を用い、さらに前作である《尼崎の彫刻》をも新作と合成することによって、巨匠によるアサンブラージュ作品の超克を試みます。移転後のVOU/棒・メインギャラリーで開催される第2回目の本展にて、小笠原作品が京都の屋内にどのように展開されるのか、ぜひご高覧ください。
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関連トークイベント | 一流芸術家たちの新年会
1月11日に何か面白い、新年会的なことができたらいいな。
日時 || 2019年1月11日[Sat] 時間未定
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アクセス || 阪急河原町・烏丸駅 連絡通路12番出口から徒歩5分
お問い合わせ || TEL | 075–744–6942 || MAIL | info@voukyoto.com